出口心海(盛岡大付・岩手/3年/投手/183cm・80kg/左投/左打/遠投?m・50m走?)
神奈川県横浜市出身で下瀬谷中学校では横浜瀬谷ボーイズでプレイ。
盛岡大付高校に進学後、2年夏までは控え投手として登板。
2年秋からエースとなり、秋季岩手大会で花巻東(岩手)を相手に9回2失点と好投するも、延長で競り負けて敗退。
3年春の県大会準決勝で花巻東と再戦し、7回3安打無失点、5打者連続を含む9奪三振と好投し、花巻東のV4を阻む。
この後、決勝の一関学戦にもリリーフ登板し、7回を投げて12個の三振を奪う奪三振ショーを披露し、チームの7年ぶりの春季県大会優勝に貢献。
3年夏の予選では4試合に登板し、31回・被安打16・奪三振15・与四死球5、失点5。
予選決勝では160キロ右腕・大谷との投げ合いとなりましたが、6安打3失点と安定感のある投球で完投勝利を挙げ、4年ぶり7度目の甲子園出場を決める。
2012年夏の岩手大会決勝・花巻東戦の動画。
2012年春季東北大会準々決勝・花巻東戦の大谷との対戦。
ノーワインドアップから右足を腰あたりまで上げていき、ゆっくりと身体を沈ませていきながら足を踏み込み、肘をやわらかく使い、腕を鞭のように鋭くしならせるようにスリークォーターから投げ下ろします。
全身を使ったダイナミックな投球フォームであり、踏み込んだ足もしっかり踏ん張れていて、体重移動もスムーズです。
上体のみに頼らず下半身と連動出来ていて、肘を上手く使い、角度がある球威の乗った球が投げられています。
球も前で離せているので、ボールのキレ・威力は十分あります。
身体への負担も少なく、全身を上手く使ったバランスの良いフォームですね。
ストレートのMAXは145キロ。
常時130キロ台中盤から後半をマーク。
ストレートの制球は良く、丁寧にコーナーをつくことが出来ており、カウント球にも決め球にも使ってきます。
変化球はスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ、カットボール。
ストレートにこれらの変化球を織り交ぜ、凡打の山を築きつつ、勝負所では三振を奪う力もあります。
走者を背負うと制球がやや乱れることもありますが、粘り強く投げられています。
スタミナ面に関しては十分あり、制球力も高いので先発完投型です。
3年夏の予選決勝・花巻東戦では5つのイニングで三者凡退に打ち取るなど、非常にテンポの良い投手です。
盛岡大付の打線に破壊力があるのは、同投手がリズム良く投げている部分も小さくないと思います。
春の県大会準決勝では外角いっぱいの直球で花巻東を3安打に抑えたことを念頭に、
「外角に対応する練習をしているはずだ」
と逆に内角を厳しく攻めてフルスイングをさせず。
分かっていても普通はなかなか攻めきれないものですが、それを実現できる制球力を持っています。
予選決勝の試合でも僅か92球で完投。
ゲームメイク能力は非常に高く、総合的な力は全国レベルの左腕です。
中学は控え投手、高校に入ってから球速が上がり、変化球も以前は少なかったようですが今では多彩です。
伸びしろがまだまだありそうなので大学などで様子見するということも考えられますが、野球センスの高さを考えると高卒でドラフトにかかっても不思議ではない好素材だと思います。
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3年夏の甲子園大会の記録
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対戦校 | 投球回数 | 打者数 | 投球数 | 被安打 | 被本塁打 | 奪三振 | 与四死球 | 失点 | 自責点 |
立正大淞南(1回戦) | 12回 | 48 | 188 | 9 | 2 | 6 | 4 | 5 | 4 |
最終更新日:2012年8月23日